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“おまけ”スタートから15年――拝金主義に傾倒する企業ブースはコミケに必要なのか
2014年9月4日
前回のコラムでは、同人の祭典であるコミケにおいて、なぜプロの小林幸子が受け入れられたのかを分析した。その結論として、小林幸子は大物芸能人でありながらコミケの基本理念であるところの、売り手と買い手がお互いイベント参加者としてフラットな立場で売買を行うということを忠実に守ったからだと書いた。もちろん、これはあくまでコミケがビジネスの場ではないという視点からの考察である。しかし、そんな観点からすると、コミケには実に不思議な場所が存在する。それは企業ブースという存在だ。企業とは利益を追求する団体であり、当然ながら企業のコミケ出展もビジネス活動の一環にほかならない。これは、コミケの理念にそぐわないのではないだろうか? イベント参加者からも、企業ブースの存在を疑問視する見方は多い。そこで今回は、そんな企業ブースの生い立ちやコミケにおける企業ブースの問題点について考えてみたい。
企業ブースができたのは、1996年の冬コミからである。コミケが東京ビッグサイトで開催されるようになって、2回目のことだ。なぜ2回目から企業ブースができたのかについて、コミケに詳しい参加者が次のように話す。
「東京ビッグサイトでコミケを開催するに当たって、1回目はほかのイベントと同時開催をしていたのですが、いろいろとほかから苦情が来ちゃったみたいなんですよ。そこで会場側から、コミケ期間中はすべてのホールを借りてほしいと準備会(運営側)に要請が来たらしい。そのため、ビッグサイトすべてのホールをコミケで使わざるを得なくなりました。しかし、ほかのホールと比べ圧倒的に行きづらい西3、4ホールにサークルスペースを配置するのは難しいと、当時の準備会は判断しました。そこでその空いているホールにアニメや漫画に関連する企業を呼び込み、宣伝スペースとして活用してもらい、その利用料を取るという形にしたようです」
つまり、企業ブースとは本来なら使われなかったスペースに企業を呼び込んだ、あくまでおまけのエリアだったわけである。そのため、当初はイベント参加者の自主流通の場を侵食していなかったのだ。しかし、それから15年以上たった今の企業ブースの現状はどうだろうか? 最近のコミケの企業ブースを軽く見渡してみても、新しいゲームの宣伝よりも一度売れたゲームのグッズばかりを、毎回手を替え品を替え売る方に力を入れているようなところがあったり、コミケ限定商品と称してイベント参加者の射幸心を煽り、注目を浴びようというところも多数目立つ。そういった限定物は始発組の一般参加者でも手に入れることができないため、さまざまな問題となっている徹夜組を生み出す原因にもなっている。
また、それぞれの企業スペースに並ぶ行列の長さが人気のステータスにもなりつつあり、当然、長蛇の列となった企業の話題はネットを通して一気に拡散されていく。しかし、そうやって生まれた長蛇の列整理にコミケスタッフが駆り出されるため、スタッフたちの負担にもなるし、そもそも限りある会場内を圧迫して危険な状態を作り出している。後日、自社通販するのであれば、あえてコミケで売ることもないだろう。そういった販売ルートを持たないアマチュアたちのための祭典のはずなのに、これではなんのための同人イベントなのかよくわからない。
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もちろん、これはコミケ限定品を作り、大勢の人を並ばせて話題に上がれば、企業にとってその場のグッズ収益だけではなく、絶大な宣伝効果をもたらすからにほかならない。このおいしい果実を見逃す手はないと、普段、二次創作やMADを厳しく取り締まっているメーカーですら、企業ブースでコミケに参加していたりするのだ。権利者として毅然とした態度を取るのであれば、著作権無視の二次創作があふれているコミケにまったく参加しないという態度を取るべきだろう。確かに50万人以上が集まるイベントで出展すれば儲かるし、行列ができれば話題にもなる。しかし、あくまでコミケの主役はアマチュアたちであり、プロ(企業)ではないのだ。
こうして俯瞰してみると、いまやコミケにおける企業ブースは新しい作品の宣伝の場というより、儲け主義に傾倒している感は正直否めない。ただ、コミケで二次創作の同人誌を売っていることを知りつつも、この業界がさらに盛り上がるようにとアマチュアたちを応援している企業が少なからず存在しているのも事実だ。
メーカーには、これからも素晴らしい作品を作ってもらいたい。その宣伝の場として、コミケに企業ブースがあるのもいいだろう。しかし、あまりに儲けに走りすぎていると、完全にコミケが企業やプロのビジネスイベントになってしまう。コミケほどの自主市は、世界で日本にしか存在しない。これは誇るべき文化である。これが単なる利潤追求の場となってしまうの、はあまりにもったいない。コミケには二次創作だけではなく、商業流通では絶対に作れないようなオリジナル作品を頒布しているサークルも多数存在する。アマチュアの活動場として、コミケはまだまだ可能性を秘めているのだ。企業ブースの在り方をここらへんであらためて見直してみてもよいのではないだろうか。織作亜樹良
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